COPDについて
COPDとは、慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease)の略で、肺の炎症によって気道が狭くなり、息苦しさや咳などの症状が現れる病気です。
COPDは、慢性気管支炎と肺気腫を合わせた病気ですが、以前はそれぞれ別の病気として考えられていました。しかし、最近の研究で、両者は同じ病気の異なる段階であることがわかってきました。
COPDの症状
COPDの代表的な症状は、息苦しさ(労作時呼吸困難)と咳です。
息苦しさは、運動や階段の上り下りなどの労作時に現れ、最初は軽度ですが、病気が進行するにつれて、安静時にも息苦しさを感じるようになり、日常生活に支障をきたすようになります。
COPDの場合、咳はたんを伴うことが多いのが特徴です。咳は、COPDの初期から現れる症状ですが、病気が進行するにつれて、たんの量が増えたり、たんの色が黄色や緑色に変化したりすることがあります。
その他にも、以下のような症状が現れることがあります。
- 胸痛
- 疲労感
- 声のかすれ
- 動悸
- めまい
COPDの原因
COPDの最大の原因は喫煙です。喫煙者は、非喫煙者に比べてCOPDを発症するリスクが20倍以上高くなります。
その他にも、以下のようなことが原因として考えられます。
- 粉塵や化学物質などの職業性粉塵
- 大気汚染
- 遺伝的要因
COPDの病気の種類
COPDには、以下のような2つの病気の種類があります。
- 慢性気管支炎
- 肺気腫
慢性気管支炎
慢性気管支炎は、気管支の炎症によって、気道が狭くなり、粘液の分泌が増える病気です。
主な症状は、咳とたんです。咳は、慢性的な咳と定義され、1年以上続く咳が特徴です。たんは、粘り気のある黄色や緑色のたんが出ます。
肺気腫
肺気腫は、肺胞が破壊されて空気が溜まりやすくなる病気です。
主な症状は、息苦しさです。息苦しさは、運動や階段の上り下りなどの労作時に現れます。
COPDの治療について
COPDの治療は、症状の緩和と病気の進行の抑制が目的です。
具体的には、以下のような治療が行われます。
- 薬物療法
- 禁煙指導
- 呼吸リハビリテーション
薬物療法
COPDの薬物療法は、気道の炎症を抑えたり、気道を広げたり、たんを排出しやすくしたりする薬が用いられます。
主な薬剤には、以下のような種類があります。
- 気管支拡張薬
- 抗炎症薬
- たんの排出を促す薬
禁煙指導
COPDの最大の原因は喫煙ですので、禁煙はCOPDの治療の基本です。
禁煙によって、COPDの症状の改善や病気の進行の抑制が期待できます。
呼吸リハビリテーション
呼吸リハビリテーションは、呼吸機能を改善するための運動や呼吸法の訓練です。
呼吸リハビリテーションによって、息苦しさの軽減や運動能力の向上が期待できます。
COPDの予防
COPDの予防は、喫煙をしないことです。
喫煙は、COPDの発症リスクを高めるだけでなく、病気の進行も早めます。
また、粉塵や化学物質などの職業性粉塵に長期間さらされることも、COPDのリスクを高めるため、注意が必要です。
COPDの生活習慣
COPDの患者は、以下のようなことに注意すると、症状の改善や病気の進行の抑制に役立ちます。
- 十分な休息をとる
- バランスの良い食事をとる
- 適度な運動をする
- 大気汚染を避ける
COPDは、早期発見・早期治療が大切です。
自覚症状が無くても、特に喫煙されている方、過去に喫煙されていた方は、COPDである可能性があります。出来るだけ早い段階で当院にご相談ください。