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ぜんそくについて

ぜんそく一般的にぜんそくは気管支ぜんそく(きかんしぜんそく)のことをさし、慢性的に気管支(または気道)の粘膜が炎症をおこす病気です。呼吸困難の発作や喘鳴(ゼーゼーやヒューヒューと音を立て息苦しくなる状態)、咳、たんなどの症状をおこします。

気管支ぜんそくは、世界中で約35000万人の患者がいると推定されています。日本では、約600万人の患者がいるとされています。

ぜんそくの原因は様々ですが、多くは気管支にアレルギー反応が起きて発症します。その他にも、運動や薬剤が原因となって発症することがあり、環境因子や遺伝の関与も言われています。

ぜんそく発作の誘因は以下のようなものがあります。

  • アレルギー物質(ダニ、ハウスダスト、花粉、ペットの毛、カビなど)
  • ウイルス感染
  • 気温や湿度の変化
  • 運動
  • ストレス

ぜんそくの主な症状は以下の通りです。

  • 喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒューという音)
  • 息苦しさ
  • 胸の痛み
  • 呼吸困難
  • 空咳

ぜんそくという病気の落とし穴は、発作が起きているときは病院に駆け込むほど苦しいけれど、いったん治まってしまえば通常の生活に何の支障もないことです。だから多くの人は発作がなくなると、ぜんそくが治ったと思って治療を止めてしまったり自己判断で薬の量を減らしてしまいます。
しかし最初は軽症であっても、治療を怠ると、悪化と改善を繰り返しながら10年、20年と長い期間を経て、肺の機能が低下したり重症化したりします。難治性のぜんそくにまで悪化すると、一生涯にわたってクオリティー・オブ・ライフ(生活の質)は損なわれ、通常の社会生活が送れなくなるばかりでなく、まれに発作を起こして死に至ることもありますので、医師と相談の上、発作がないときでも治療を継続することが重要です。
ぜんそくが自然に治るケースは、成人の場合にはまれですから、根気強い治療の継続が必要となります。

咳ぜんそくについて

通常のぜんそくとは異なりますが、同じような治療が必要になる「咳ぜんそく」という病気が最近増えてきています。
「咳ぜんそく」の代表的な症状は、2週間以上も続くしつこい「空ぜき」です。そのほか、寒暖の差でせきが出やすくなる、昼間は長話や電話をすると咳こんだり、のどが渇いたりイガイガした感じを覚える、夜中から朝方にかけて激しい咳が出て目覚める、といった特徴があります。
ぜんそくと咳ぜんそくの共通点は、気道にアレルギーによる炎症が起きている点です。ただ、ぜんそく特有のゼイゼイ、ヒューヒューといったぜん鳴や粘り気のある”たん”が見られないため、多くの人はかぜと間違えてしまいます。治療せず放っておくと、ひどくなって本格的なぜんそくに移行してしまう危険性がありますので注意しましょう。
また、かぜなどで気道がアレルギー性炎症を起こすと、「咳ぜんそく」を発症しやすくなります。そのため、かぜを引かないことが第一の予防です。万が一発症しても日本アレルギー学会専門医や日本呼吸器学会専門医が、病状を丁寧に診断した上で治療に当たらせて頂きます。咳止めの効かない「空ぜき」、あるいは「たんがらみの咳」が続くときは、当院にご相談ください。

ぜんそくの症状について

咳やたん、ぜん鳴、呼吸困難などです。
気管支が狭くなって呼吸がしにくくなる病気です。
典型的な症状は夜半から朝方のせきやたん、ゼーゼー、ヒューヒューなどのぜん鳴が起こる、呼吸困難になるなどで、これらが確認されれば、ぜんそくと診断できます。
しかし、ぜんそくは症状が多様で、咳だけが出る「咳ぜんそく」をはじめ次のような症状もあります。
●たばこの煙、香水の強い匂いが嫌いで、咳が出たり息苦しくなる
●長話や電話、寒暖の差で症状が出る
●胸や気管部が痛む

ぜんそくの症状を悪化させる誘因

ダニやほこり、花粉、たばこの煙などです。
ぜんそくの患者は、慢性的に気管支に炎症があるため、気道が敏感です。
ですから普通の人にとっては何でもないようなたばこの煙や強い刺激物、臭い、冷気にも過敏に反応するのです。たばこの煙や臭いだけでなくダニやほこり、カビ、ペットの毛、花粉などのアレルゲンが気道に入ることによって好酸球や肥満細胞などの炎症細胞からヒスタミンなどの刺激性の物質が出て、症状を悪化させます。
また、症状悪化の誘因として挙げられるのが過労です。とくに女性の場合、家事や育児、仕事との両立で症状が悪化するケースが多くあります。

検査について

問診や呼吸機能で気管支の状態の変化などを調べます(息苦しさ、ぜん鳴の有無)。

典型的な症状がそろって見られる場合、診断は難しくありませんが、一般に発作が治まっている状態の無症状期をはさんで繰り返すことが多く、日中に外来を受診する際には、ほとんど症状がなく診断に苦慮することもあります。

検査は次のように行います。
●問診‥‥‥‥‥‥‥ 症状や睡眠障害の有無などを聞く(息苦しさ、ぜん鳴の有無)。
●肺機能検査‥‥‥‥ ぜん鳴や呼吸困難は気道が狭くなることによって生じるので、気管支の狭窄の程度を呼吸機能で調べる。
●気道過敏性の亢進‥ さまざまな刺激に対して気管支が敏感に収縮するので、その程度を調べて診断する。
●気道炎症の存在‥‥ たん中または血液中の好酸球数などが増えているか確認し、気道の慢性的な炎症の有無を調べる。
●類似疾患の除外‥‥ 例えばぜん鳴を伴う心不全や肺水腫、慢性閉塞性肺疾患、気道内腫瘍、喉頭がん。
発作性の呼吸困難が起こる自然気胸、過換気症候群、肺血栓塞栓症。
3週間以上持続する慢性のせきが出る肺結核、肺がんなど、あらゆる類似疾患の可能性を除外するためにそれぞれを判断するための検査を行う。
⇒主にレントゲンによる検査等。

治療について

気管支の炎症を抑えるために、吸入ステロイド薬を中心に継続して治療していきます。
一時的に「発作を鎮める」のではなく、発作の起きていないときも「気道の炎症を鎮めて発作が起きないようにする」治療が大切です。ぜんそく治療に用いられる薬剤は、主に吸入ステロイド薬、気管支拡張薬、抗アレルギー薬などです。
吸入ステロイド薬は、直接気管支に広く到達して炎症を抑えるため、微量で作用する薬剤です。ステロイドというだけで恐がる人もいますが、内服ステロイド薬とは違い、全身性の副作用の心配は少なく、ぜんそくの症状の改善と発作の予防にとても有効な薬剤なので、継続して使用しましょう。作用が現れるまでに3~4日かかるので、注意が必要です。
一方、気管支拡張薬は即効性はありますが、この薬剤のみに頼っていると受診の遅れで、ぜんそくが悪化し、長期に渡り悩んでいる患者様もいらっしゃいます。

近年、吸入ステロイド薬やそれ以外の薬剤を使っても症状が続いたり、発作を繰り返す患者様に対し、ピンポイントで炎症を抑える生物学的製剤(抗体製剤)が使えるようになってきました。当院では、この抗体製剤を使い、コントロールが格段に改善した患者様も少なくありません。

薬剤治療のほか、ピークフローという器具を使って、吐き出した呼気の最大流量を計り、ぜんそく日誌をつけることで自分の状態を把握することも必要です。

気管支ぜんそくの症状を悪化させる可能性があるため、以下のようなことに気を付けましょう。

  • アレルギー物質を避ける
  • 喫煙をしない
  • 適度な運動をする
  • ストレスを溜めない

ぜんそくは、お子様の代表的な呼吸器疾患としても知られていますが、成人になって発症することもあります。ぜんそくの症状が疑われる場合は、ぜひ当院にご相談ください。

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