花粉症とぜんそくについて
近年、花粉の飛散時期が早まり、花粉症に悩む方が増えています。春は強風が吹きやすく、黄砂やPM2.5も飛散するため、花粉症の症状がさらに悪化する可能性があります。
花粉症がぜんそくに及ぼす影響
花粉症をはじめとするアレルギー疾患があると、ぜんそくの症状が出やすくなります。花粉症による鼻炎の症状がひどくなると、鼻が詰まって呼吸が苦しくなることがあります。また、黄砂やPM2.5もぜんそくを悪化させる原因の一つです。
花粉症の対策
花粉を吸い込まないように、マスクやメガネを着用しましょう。外出後は服を着替えたり、洗髪するなどして花粉を持ち込まないようにすることも大切です。洗濯物はできる限り部屋干しにしましょう。
花粉症の治療
症状が悪化する前に、花粉症を薬物治療でしっかり抑えることが重要です。従来から使われている抗ヒスタミン薬が第一選択になります。
抗ヒスタミン薬とは?
私たちの体の中には、ヒスタミンという物質があります。このヒスタミンは、アレルギー反応や炎症が起こると放出され、様々な症状を引き起こします。
ヒスタミンが引き起こす症状
- かゆみ: 皮膚の神経を刺激してかゆみを引き起こします。
- 鼻水やくしゃみ: 鼻の粘膜を刺激して鼻水やくしゃみを引き起こします。
- 蕁麻疹: 皮膚の血管を拡張させ、蕁麻疹を引き起こします。
抗ヒスタミン薬の働き
抗ヒスタミン薬は、このヒスタミンの働きを抑える薬です。ヒスタミンが受容体と呼ばれる場所に結合するのをブロックすることで、ヒスタミンの作用を打ち消します。
抗ヒスタミン薬の種類
抗ヒスタミン薬には、第一世代と第二世代があります。
- 第一世代: 効果は高いですが、眠気や口渇などの副作用が出やすいのが特徴です。
- 第二世代: 眠気などの副作用が軽減されたものが多く、近年はこちらが主流になっています。
注意点
- 抗ヒスタミン薬は、医師や薬剤師の指示に従って服用しましょう。
- 眠気が出ることがあるので、服用後の運転や作業は注意が必要です。
- 他の薬との飲み合わせに注意が必要です。必ず医師や薬剤師に相談しましょう。
抗ヒスタミン薬に加え、抗IgE抗体療法は、アレルギーの原因物質であるIgE抗体を抑えることで、花粉症の症状を緩和する治療法です。
ぜんそくの発症予防
減感作治療は、アレルギーの原因物質を少量ずつ内服または注射することで、体を慣れさせてアレルギー反応を弱める治療法です。花粉症のみならず、ぜんそくの発症を予防する効果も期待できます。
日頃からのケア
花粉症を悪化させないように、日頃から気道炎症をコントロールし、ぜんそくの状態を良好に保つことが大切です。
最後に
花粉症とぜんそくは、密接な関係があります。花粉症の症状をしっかり治療し、ぜんそくの発症を予防することが重要です。つらい症状にお悩みの方は、早めに医療機関を受診しましょう。