朝晩の冷え込みとぜんそくについて
最近、朝晩の冷え込みが気になるようになってきています。気象庁の発表によると、今年は例年よりも早く冷え込みがはじまり、すでに平年並みの気温になっている地域もあるようです。
また、医療機関を受診する患者さんの中には、マイコプラズマ肺炎や手足口病が増えていますが、インフルエンザの流行も始まったようです。
このような状況の中、ぜんそくをお持ちの方にとっては、少し心配な季節がやってきたと言えるかもしれません。
朝晩の冷え込みがぜんそくに与える影響
ぜんそくは、気道が炎症を起こし、刺激に過敏に反応して、咳や呼吸が苦しくなる病気です。このぜんそくの症状は、実は気温の変化に大きく影響されることが知られています。
なぜ、朝晩の冷え込みがぜんそくを悪化させるの?
- 早朝に症状が出やすい: ぜんそくの症状は、夜間から明け方に悪化しやすい傾向があります。これは、夜間に副交感神経が優位になり、気道が狭まりやすくなるためです。そこに朝方の冷え込みが加わると、さらに気道が刺激され、症状が悪化しやすくなります。
- 気温の変化の影響: 急な気温の変化は、気道に負担をかけ、ぜんそくの発作を誘発することがあります。暖かい部屋から寒い屋外に出たり、冷房の効いた部屋に入ったりする際に、症状が出ることがあります。
- 秋の花粉や台風: 秋はスギ花粉だけでなく、ブタクサなどの花粉も飛散し、ぜんそくを悪化させることがあります。また、台風が過ぎ去った後には、大気中にカビやダニの死骸などが舞い上がり、ぜんそくの発作を起こすことがあります。
冷え込みから身を守るには?
朝晩の冷え込みから身を守るためには、以下の点に注意しましょう。
- 首や手足などを温める: 特に首元や手足は、体の熱が逃げやすい部分です。今後寒さが進んだら、マフラーや手袋、靴下などを着用して、しっかりと温めましょう。
- 重ね着をする: 薄手のものを重ね着することで、気温の変化に対応しやすくなります。
- 部屋を暖かくする: 室内では、暖房器具を使って適温に保ちましょう。ただし、乾燥しすぎると気道が刺激されるため、加湿器などを活用して湿度を調整することも大切です。
ぜんそくを悪化させないために
朝晩の冷え込み対策に加えて、日頃からぜんそくの状態を良好に保つことが大切です。
ぜんそくは、気道の慢性的な炎症が原因で起こる病気です。そのため、症状が出ていなくても、気道には炎症が隠れていることがあります。この気道炎症をコントロールすることで、ぜんそくの発作を予防することができます。
医師から処方された吸入薬などを正しく使用し、定期的に医師に診てもらうことが大切です。また、アレルゲンとなるダニやハウスダストを減らすための掃除をしたり、禁煙したりするなど、生活習慣の見直しも重要です。
まとめ
朝晩の冷え込みは、ぜんそくの症状を悪化させる可能性があります。特に、お子さんや高齢者の方、症状が重い方は、十分に注意が必要です。
もし、ぜんそくの症状が悪化したり、新しい症状が出たりした場合は、早めに医師にご相談ください。