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シェーグレン症候群について

[2025.10.25]

この度、当院のホームページに「シェーグレン症候群について」の情報を追加しました。

シェーグレン症候群は、主に涙腺(涙を出すところ)や唾液腺(唾液を出すところ)といった「外分泌腺」という部分に、炎症が起こる病気です。この炎症により、涙や唾液の量が減ってしまい、目や口が異常に乾燥するのが主な症状です。1933年にスウェーデンの医師によって発見され、関節リウマチの患者さんなどに見られることから注目されました。


🤔 どんな病気?

この病気は、体の一部を「異物ではない」と認識して守るはずの免疫が、間違って自分の体を攻撃してしまう「自己免疫疾患」の一つです。

  • 乾燥は全身に: 症状は目や口だけでなく、全身の汗を出す腺や粘液を出す腺など、外分泌腺がある様々な臓器に及びます。

  • 他の病気との関わり: 関節リウマチだけでなく、「膠原病(こうげんびょう)」と呼ばれる病気の仲間や、慢性甲状腺炎(橋本病)など、他の自己免疫の病気と一緒に起こることもありますし、この病気単独で起こることもあります。

  • 頻度と性別: 公式には300人に1人程度の病気とされていますが、はっきりシェーグレン症候群と診断されていなくても、乾燥症状を持つ人はもっと多いと言われています。女性に多いですが、男性も発症します。


💧 主な症状(腺症状)

涙や唾液が少なくなることで、以下のような症状が出ます。

  • 目の乾燥: 目が乾く、ネバネバする、ゴロゴロする感じ(異物感)、痛みなどがあります。涙が減ると、目の表面(角膜)に傷がつきやすくなり、光がまぶしく感じることもあります。

  • 口の乾燥: 口の中が渇き、口内炎や口角炎(口の端が切れる)ができやすくなります。唾液による細菌から守る力が弱くなるため、虫歯や歯周病にもなりやすくなります。食べ物の味がわかりにくくなる(味覚障害)こともあります。

  • その他: 鼻が乾燥したり、喉の違和感や、痰の出ない「空咳(からせき)」が出やすくなったり、声がかすれることもあります。


🦵 その他の症状(腺外症状・全身症状)

外分泌腺以外の、全身の臓器にも影響が出ることがあります。

  • 関節の症状: 朝起きた時や、じっとしていた後に動き出す時の「こわばり」がよく見られます。関節リウマチのように骨や関節自体が壊れることは基本的に少ないですが、関節の周りや腱(けん)に炎症が起きることがあります。

  • 皮膚の症状: 皮膚が乾燥し、かゆみや湿疹(皮疹)が出ることがあります。

  • 全身の症状: だるさ(全身倦怠感)や、疲れやすい(易疲労感)といった症状もよく見られます。体温の調節がうまくいかず、37℃台の微熱が出ることがあります。

  • 稀な症状: 肺の炎症(間質性肺炎)や腎臓の機能障害(間質性腎炎)、手足のしびれ(多発性単神経炎)などが起こることがあります。また、ごく稀に悪性リンパ腫を合併することがありますが、早期発見と最近の治療法の進歩により、ほとんどが治癒します。

シェーグレン症候群は、症状を正しく理解し、治療と生活習慣の工夫で十分に付き合っていける病気です。少しでも気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。

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